あれだけ憧れたマーチン、はじめのうちは良かったんだが、いろいろなギターを触って聴くうちに、なんとも音に嫌気が差してきてしまった。こういうことは良く起こる。まあ、耳が成長したんだと思う。
そうこうしているうちに、20世紀も終わりに近づいたある日、名古屋へ出たついでにベイ・シティーで映画を観ていこうとなった。ところが残念なことに、到着したときには映画は始まったばかり。映画は次の機会にすることにして、せっかく来たんだからと半ば強引に島村楽器を覗いてみた。ここは意外とアコースティックが多く置かれている。ふんふん....と観て回ると、そこには....。
偶然出あった更なる高額ギターにちょっと引いた。ボディーの周りにはマーチンOOO-28にはない貝殻細工が、いかにも高額そうにキラキラしている。じっくり見てみると、Lakewood(レイクウッド)社のM46-1310という型番だとわかった。これはスプルース+インディアンローズの中川イサトモデル。1310と書いてイサトと読む。
ベネチアン・カッタウェイになっていて、いかにもドイツの職人が作りそうな精密さだった。このギター、定価は58万円。これが世紀末特価で半額になっていた。数日悩んだわ。
意を決して買う旨を楽器屋に伝えた。輸入代理店が近くなので、在庫を聞いてもらうと、もう一本あるという。早速、持ってきてもらって二本を弾き比べた。もちろん、さほど違うわけでもないんだが、わずかな弾き易さと木目で一本を選んだ。これが20世紀最後の買い物になった。
自宅でしばらく弾いていると、どうも弦高が高くて弾きづらい。島村楽器へ持ち込んで、サドルを新規で作ってもらった。ちょっと低めとがっつり低い二種類。結局がっつり低いのはビビリがでるので使っていない。中くらいがいいということだ。
年が明けて、ファンフェアの翌日に名古屋でOFF会が開かれる事になった。岸部さんも来てくれるらしい。それでは....と演奏曲の練習を始めた。当時は出張で天津へ通ってた頃だったので、中国シリーズで行く事にした。一曲目は蘇州夜曲、二曲目は岸部さんの揚子江だ。蘇州夜曲は既に弾けたから、揚子江だけ真剣に練習した。本人の前で演奏するわけだからね。
それとせっかくだからとピックアップを取り付ける事にした。ただ、高額ギターだから大きな改造はしたくない。選んだのはL.R. BaggsのiBeam Active。
iBeam Activeのパーツ |
こんな具合に取り付けてある |
ピックアップを使った始めてのOFF会演奏、まあまあだったかな。
Lakewoodを仕入れたので、マーチンOOO-28SQはヤフオクに出品した。すぐに引き合いがあったので即売した。相手は高松市の歯医者さんだった。今でも元気に弾いてもらってるだろうか?
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